【法人向け】パソコン買い換え時にやること、注意点とは?データ移行・初期設定方法を解説

法人PCを買い替える際には、新たなPCの初期設定やデータ移行などやるべきことが数多くあります。これらの工程を適切に行わないと、セキュリティ面や効率的な運用において支障が出る可能性があるため、やるべきことをしっかりと把握しておくことが重要です。本記事では、法人PCの買い替え時にやることや、買い替え時の注意点を中心に解説します。
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法人PCの買い替えが必要なタイミングとは

法人PCは、必ず一定期間でリプレイスする必要があります。故障した後に買い替えを検討した場合、データが消失するリスクやパソコンが使えない期間が生じてしまうため、買い替えるべきタイミングをあらかじめ把握し、準備しておくことが重要です。

具体的はリプレイスのタイミングとしては以下があります。

・PCの寿命が来たとき:一般的なPCの寿命は3~4年程度であり、この年数を経過したタイミングでリプレイスする必要があります。

・新しい性能が必要になったとき:新しい性能が必要ということは、業務に必要なスペックが不足しているということであり、リプレイスすべきタイミングと言えます。

・パフォーマンスが低下した/ストレージの空き容量が少なくなったとき:PCを長年使用しているとパフォーマンス低下やストレージの空き容量の問題が発生しやすくなるため、リプレイスを検討すべきです。

・OSのサポート終了が決まったとき:サポートが終了したOSはセキュリティ面やパフォーマンスの面で問題があるため、終了するタイミングでPCもリプレイスすることを検討しても良いでしょう。

Windows10のサポート終了とWindows11への移行(アップグレード)については以下の記事をご覧ください。

法人PCのリプレイスに最適な時期や業務のポイントは以下の記事で紹介しています。

法人PCを買い替える際には、インターネットへの接続、OSの初期設定、データ移行、これまで使用していたPCの廃棄など、多くの作業が発生します。これらの作業を適切に行わなければ、業務の停滞やセキュリティリスク、データの損失など重大な問題につながる可能性があります。したがって、法人PCを入れ替える際には十分な計画と適切な対策が必要です。

パソコンの買い替え前にやること

PCの買い替え前にやるべきこととしては以下の5つがあります。

移行するパソコンとの互換性の確認

まずは買い替え後のPCのハードウェアやCPU、ソフトウェア、周辺機器に互換性があるかを確認します。
現在利用しているソフトウェアが古いと、Windows11にインストールできない場合があるので注意が必要です。

ログイン情報・パスワードの整理

現在のPCで自動ログインサービスを利用している場合、買い替え後に自動でログインできなくなる可能性があるため注意しましょう。
外部メモリに保存する、パスワードマネージャーからパスワードをエクスポートする(Google Chromeを使用している場合)などの対策を行う必要があります。

バックアップするデータの整理

重要なドキュメント、写真、動画などのファイルを整理します。
買い替えのタイミングで不要なファイルやソフトは削除し、移行すべきデータを整理しておくことがおすすめです。

データのバックアップ

外付けハードディスクやクラウドストレージを使用して、整理したデータをバックアップします。
買い替え後にメールアカウントを新たに作成する場合、新たなアカウントでも過去のメールを閲覧できるようにメールアカウントのデータをバックアップしておく必要があります。

必要なソフトウェアやライセンスの確認

使用しているソフトウェアのリストを作成し、新しいパソコンでも必要か、移行できるかを確認します。
ソフトウェアのライセンスの有効期限が切れていると移行できない可能性があるため、ライセンス情報を整理し、新しいパソコンでの再インストールに備える必要があります。

買い替えるパソコンを選ぶポイント

買い替えるパソコンを選ぶ際には、使用目的を明確にし、それに応じた適切なスペック(OS、CPU、メモリ、ストレージ)のものを選定することが重要です。
また、オフィスでの利用がメインなのか、自宅でのテレワークでも使用するのかなど、利用シーンに応じて重さ・サイズを考慮することや、長期的な利用を前提としたサポートや保証があるか確認することも必要です。

選定ポイントの詳細は以下の記事で解説しています。

パソコン買い替え時にやること

法人PCを買い替える際にやるべきこととしては、主に以下の7つがあります。

インターネットへの接続

初期設定時にはネット回線を利用するため、まずはPCをインターネットに接続します。インターネットに接続することで、Windowsの初期設定、ソフトのダウンロード、クラウドを使ったデータ移行など、さまざまな作業が可能となります。
なお、工場用や病院のカルテ用など、インターネット接続を行わない(必要としない)PCも一部存在し、その場合この工程は不要です。

OSの初期設定(セットアップ)

次に、新しいオペレーティングシステム(OS)をインストールし、初期設定を行います。具体的には、言語と地域の選択、ライセンス契約の同意、インストール先の選択、基本設定、ネットワークの設定などが作業の対象です。OSのセットアップを完了することで、基本的なOSの動作環境が整備されます。

セキュリティ設定

既知の脆弱性に対処するため、新しいパソコンのセキュリティ設定を確認します。また、ファイアウォールやウイルス対策ソフトウェア、マルウェア対策ソフトウェアなどをインストール・設定することも必要です。

以下の記事では、法人PCのセキュリティ対策におけるポイントについて解説しています。

パソコン購入時には、アカウントの作成と適切なパスワードの設定、最新のOSやソフトウェアへのアップデート、定期的なバックアップといった基本的かつ必要なウイルス対策を徹底することも重要です。

パソコン購入時に必要なウイルス対策の詳細については以下の記事をご覧ください。

Windows Updateの実施

周辺機器との接続

プリンターやスキャナー、モニターなど、必要な周辺機器を接続します。多くの場合には、ドライバーやソフトウェアの再インストールが必要です。各メーカーのHPを確認し、定められた方法でインストールを実施します。

アカウント設定と権限管理

従業員のアカウントを設定し、必要なアプリケーションやデータへのアクセス権限を管理します。管理者が従業員一人ひとりの業務に合わせて最適なアクセス権限を付与することで、情報漏洩のリスクを未然に防ぐことができます。

なお、パソコンやスマホなどのIT機器を導入する際に各種設定やセットアップを行い、ユーザーが使える状態にすることを「キッティング」と呼びます。キッティングについては以下の記事で詳しく解説しています。

データ移行

PCの買い替えの際には、これまで利用していたPCから新しいPCへのデータ移行が必要です。
一般的には、ユーザフォルダのデータやメールデータ、その他ダウンロードデータや写真、動画データ等が移行対象に含まれます。

PCのデータ移行は、以下の手順で実施します。

① 移行するデータの洗い出し
② データのバックアップ
③ 新しいパソコンへのデータ移行

法人PCのデータ移行は個人PCに比べ、セキュリティ面や実施時間帯を考慮して行う必要があり、注意が必要です。データ移行の方法は複数あるため、その中から自社に適した方法を選択します。以下は、主なデータ移行の方法です。

ファイルサーバの利用
記録メディア(USBメモリー/HDD)の利用
クラウド利用(オンラインストレージ)
ベンダーが提供する移行ツールを利用

それぞれの移行方法の詳細や、法人PCをリプレイスする際のデータ移行におけるポイントは以下の記事で解説しています。

パソコン買い替え後にやること

PCを買い替えた後には、買い替え前の古いPCを適切な方法で廃棄する必要があります。

古いPCの廃棄を適切な方法で廃棄

法人PCは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」という法律に基づいて廃棄する必要があり、一般的なPCよりも厳重に廃棄する必要があります。そのため、企業の担当者は法的義務や責任の範囲などをしっかりと理解したうえで廃棄しなければなりません。

廃棄方法は、PCの調達手段が購入か、レンタルまたはリースかによって異なります。
購入の場合はすべて自社で対応する必要があり、購入したメーカーに回収してもらうか、産業廃棄物処理会社やPC処分・リサイクルサービスの業者に依頼します。
レンタルやリースでPCを調達した場合は、廃棄時のデータ消去は自社で行う必要がありますが、廃棄予定のPCの回収から廃棄までの工程は、提供元であるレンタル企業やリース企業に任せることが可能です。

リースしたPCの返却時の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

法人PCを廃棄する際の注意点は以下の記事でご紹介しています。

法人PC買い替え時の注意点

法人PC買い替え時には、移行対象データやスケジュールの決定、古いPCの廃棄などに関して、注意すべき点があります。

移行する対象データやスケジュールを事前に決めておく

不要なデータを移行すると、ディスクやファイルサーバなどのストレージ容量を無駄に消費してしまったり、データ移行の際に余計に時間がかかってしまったりするケースがあります。そのため、移行すべきデータとそうでないデータを整理しておくことが大切です。

また、データ移行のためには、あらかじめまとまった時間を確保する必要があります。データ容量やパソコンのスペック、移行方法により異なりますが、半日は要すると考えたほうが良いでしょう。データ移行中に緊急対応が必要な業務が発生してしまうと、PCが使えずに対応できないというケースがあるため、データ移行作業をどのようなスケジュールで行うのか事前に検討しておく必要があります。

古いPCはデータを完全消去した後、リユースまたは廃棄する

法人PCには、顧客情報や企業の内部情報などの機密データが入っており、データが完全に消去できていないと情報漏えいにつながるリスクがあります。そのため、情報漏えいリスクや資産の有効活用といった観点から、古いPCが自社資産であればリユースをメインに検討すると良いでしょう。廃棄はリユースができない場合の最終手段であり、その際には厳重な注意が必要です。

PCのデータは、ファイルの削除やHDD・SSDの再フォーマットでは完全に消去されず、ファイル復元ツールなどにより復元されてしまうリスクがあります。こうしたリスクを回避するためには、データ消去ソフトの利用や磁気破壊、または専門業者への委託が有効です。

信頼できるベンダーに依頼する

法人PC買い替え時にやるべき作業は複雑であり、多くの時間を要します。特に、多くのPCを一斉に買い替える際に、他の業務と並行しながらリプレイス作業を遂行することは非常に難しく、自社内で対応することはハードルが高いと考えた方が良いでしょう。最初から外部への委託を前提とした方が安心です。

また、外部の専門家に依頼することで、法人PCの買い替えに関する専門知識と豊富なノウハウ、経験を活用することもできます。

パソコン管理業務のアウトソーシングも検討しよう

法人PCを買い替える際は、PC運用管理のアウトソーシングも検討することがおすすめです。アウトソーシングすることで、他のコア業務に人的リソースを割くことができ、業務を停滞させずに法人PCのリプレイスを実施できます。

「Wave PC Mate」は、法人PCの買い替えだけでなく、運用、保守、撤去・廃棄まで、PCライフサイクル全体を通したトータルアウトソーシングサービスです。

法人PCの買い替えに関する情報の整理や計画立案から、導入時のセットアップ実施まで、一貫してサポートします。ノートPC・デスクトップPCを問わず取り扱っており、特定ベンダーの製品に縛られず、自社の状況に合わせて最適なPCを提案できます。さらに、リプレイスしたPCのライフサイクルの把握、利用後のPC回収スケジュール調整、回収業者の手配なども可能です。
これらの対応をすべて含めたサービス体系であるため、買い替え時に発生する手間やコストを抑えることができます。

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以下では、PCを導入する際に行う「キッティング作業」の初期設定から障害発生時の対応まで、トータルで効率化する方法を解説していますので、ぜひご覧ください。

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このコラムを書いたライター
Wave PC Mate 運営事務局
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Wave PC Mateは、NTTデータ ウェーブが提供するハードウェアの調達から導入、運用管理、撤去・廃棄までのPCライフサイクルマネジメントのトータルアウトソーシングサービスです。本サイトでは、法人企業のPC運用管理業務の課題解決に役立つ様々な情報をお届けします。