法人PCに不可欠なリプレイス業務の方法や
ポイントを解説

PCの経年劣化や故障、新OSへの対応など、企業はPCリプレイスを定期的に行う必要があります。リプレイスにはいくつかの方式やポイントがあり、PCやシステムの運用環境などに応じて最適なやり方を選択することが重要です。本記事では、法人PCのリプレイス方式や注意点、情シス部門の担当者が押さえておくべきポイントをご紹介します。

PCリプレイスの目的と最適な時期とは?

企業では、PCの劣化や故障により生じるシステム・業務への悪影響を予防・改善するために、定期的にPCを交換する必要があります。このようにPCの交換を行うことをPCリプレイスと言います。

ITの世界は技術進歩が速く、システムやソフトウェアはすぐに時代遅れのものとなります。スムーズに機能していたPCもデータ量が増大するにつれ、動作が遅くなり作業効率が落ちます。さらに古いPCを使い続けているとフリーズしてしまい、業務自体が停止に陥る可能性もあります。つまり、PCリプレイスは単に劣化や故障したPCを修復する以上の意味合いがあるということです。

なお、PCは一般的に3年を超えると故障率が急激に上がり、パフォーマンスも低下していくため、3~4年がリプレイスとしての最適な時期とされます。

PCリプレイスを行う必要性

PCにはディスク(SSD/HDD)やバッテリーなど消耗品が多く搭載されており、これらは経年劣化していきます。特にディスク(SSD/HDD)はデータ保存を担うパーツであり、故障するとデータを消失する恐れがあります。

また、古いPCは対応パーツがなく、修理ができない場合や修理コストが嵩むことがあるうえに、動作が遅くなるので作業効率が落ちます。一方、新型のPCは処理能力が高く省電力化も進んでいるので、リプレイスした方が作業面、コスト面においても効率的です。

さらに、2021年10月にリリースされたWindows11は、ハードウェア要件がWindows10から変更されています。そのため、OSアップデートという観点からもリプレイスが必要です。

このように、データの保全、コスト、利便性の観点から、PCリプレイスは不可欠であると言えます。

では、実際にPCリプレイスはどのように行えばよいのでしょうか。以下でその方法と特徴を見ていきます。

PCリプレイスする際の方式とその特徴

PCリプレイスの際には、連動して新システムへの移行が必要であるため、システムの利用状況に応じて、リプレイス方式が異なります。以下では主な3つの方式の特徴を解説します。
なお、本記事で解説するリプレイス方式は、従来のクライアントサーバシステム視点での方式であり、システムとPCの連動性が低いSaaSといったWebシステム系の場合は異なります。

一括移行方式

PCやソフトウェアなどシステムの構成要素を一括ですべて入れ替える方法です。
リプレイス作業を一度だけ行えば良いのでコストや時間がかからないというメリットがあります。一方で、システムを全面停止する必要があり、その間業務をどうするか検討しなければならず、エラー発生のリスクも高い点がデメリットです。

平行移行方式

平行移行方式は、現在使用しているPCと新しいPCを平行稼働させて、比較検証しながら移行する方法です。
リプレイス前のシステムを稼働させ続けることで、新システムに問題がある場合でもシステムを止めずに運用できます。しかし、2つのシステムを同時稼働させるため費用がかかり、保守管理の運用負担も大きくなります。

パイロット方式

パイロット方式は、一部の部署で現在使用しているPCから新しいPCに切り替え、運用を確認して問題がないと判断した後に、全部署のPCを切り替える方法です。
リプレイスの課題を小さい規模で洗い出すことができ、課題の解消法を蓄積してから、全体のリプレイスを行えるため、エラー発生に伴う影響を最小限に抑えられる点がメリットです。全体のリプレイスまで時間を要しますが、一括移行をするのが不安な場合に有効な方法です。

法人におけるPCリプレイス時の注意点

法人におけるPCリプレイスの場合、重要かつ大量のデータを移行するため、データの一時保管方法や場所、手順、移行後の削除などのサポートを情シス部門が行う必要があります。
また、PCリプレイスは利用者自身が実施するのか、もしくは作業員が行うのかも検討すべき事項です。PCリプレイスに伴うユーザ負荷を抑える場合は、情シス部門が外部ベンダーに作業委託を検討するのが良いでしょう。

OS、アプリ、システム変更などによるユーザビリティや、PC利用方法の変化も事前に把握しておく必要があります。これに伴い、情シス部門がユーザートレーニングを行う必要があるのかを検討しましょう。

こうした点に注意して法人PCはリプレイスを行うことが重要ですが、以下では情シス担当者が押さえておきたいより具体的なポイントについて見ていきます。

法人PCをリプレイスする際に
情シス担当者が押さえておくべきポイント

PCリプレイスに関する情報を整理する

まずはリプレイスするPCのスペックや必要台数、さらに導入拠点別の台数、スケジュールなど、PCリプレイスに関する基本的な情報を整理します
また、現行のPCの課題や、運用方法なども把握しておくことで、リプレイス後のPCに必要な機能やスペックなどに関して適切なものを導入できます。

リプレイスによるリスクを考慮した計画を立てる

リプレイスは計画通りにすべてが進行するとは限らないため、不測の事態に備え、予備日を設定するなど余裕を持たせたリプレイススケジュールを策定することがポイントです。そうすることで、予期せぬトラブルが発生した際にも、リプレイスを中断し、トラブルの原因を解決したのちに再度リプレイスが行えます。

リプレイスしたPCのライフサイクルを把握する

PCには調達から、導入、運用、保守、撤去・廃棄に至るライフサイクルがあり、それぞれの工程で管理業務が発生します。
このライフサイクルを事前に把握(見える化)することで、いつ・どのPCをリプレイスするかの計画策定が容易になり、管理業務の無駄を解消できます

こうしたPC運用管理の改善方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

 

信頼できるベンダーに相談する

PCリプレイスを自社だけで行う場合、情シス部門の業務負担が増加する可能性や、予期せぬトラブルへの対応が不十分になるリスクがあります。

そこで、信頼できるベンダーに相談し、アウトソーシングをすることが有効な選択肢です。専門のベンダーに任せればスムーズなリプレイスができ、情シス部門はシステム構築やIT戦略策定など本来力を入れるべき業務にリソースを割けるようになり、組織全体の生産性向上も図れます。

PCリプレイスはプロに相談!外部委託で確実にリプレイスしよう

NTTデータ ウェーブでは、PCの調達から導入、運用、保守、撤去・廃棄まで、PCライフサイクル全体を通したトータルアウトソーシングサービスである「Wave PC Mate」を提供しています。

特徴としては、前章でご紹介したPCリプレイスに関する情報の整理や計画立案から、導入時のセットアップを実施している点が挙げられます。さらにリプレイスしたPCライフサイクルの把握、利用後のPC回収スケジュール調整、回収業者の手配なども可能です。これらの対応をすべて含めたサービス体系であるため、リプレイス時に随時発生するコストを抑え、標準化を行えます

このように、Wave PC Mateは情シス担当者がPCリプレイス時に押さえておきたいポイントを網羅し、安定的にPC運用を行えるサービスをご提供できます
リプレイスを含めたPC運用の外部委託先を選定する際のポイントについては、下記資料をご覧ください。

お役立ち資料
法人PC運用の外部委託先選定時のポイントとは?
法人PC運用の
外部委託先選定時のポイントとは?
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このコラムを書いたライター
Wave PC Mate 運営事務局
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Wave PC Mateは、NTTデータ ウェーブが提供するハードウェアの調達から導入、運用管理、撤去・廃棄までのPCライフサイクルマネジメントのトータルアウトソーシングサービスです。本サイトでは、法人企業のPC運用管理業務の課題解決に役立つ様々な情報をお届けします。