キッティングとは?手順や自社で行う際の課題、業務委託のメリットを解説!

オフィスにて新たなPCやモバイル端末を導入する際、各種アプリケーション設定等利用者へ払い出す前のセットアップなどを行うことを「キッティング」と呼びますが、自社で行う場合には情シス部門の負担増加やオペレーションミスの誘発など課題があります。本記事では、キッティングの概要やその手順、さらにキッティングを外部に業務委託するメリットなどをご紹介します。

キッティングとは?

キッティングとは、パソコンやタブレット端末、スマホなどのITデバイスを導入する際に、各種アプリケーション設定やセットアップを行ってユーザーが使用できる状態にすることです。

特に、企業で新たに社員を迎え入れるときや、オフィスの移転・新設、機器の更新などのタイミングで行われるものを指します。
なお、キッティング(kitting)は英語で「装備」や「配備」といった意味です。

キッティングの作業範囲とセットアップとの違い

キッティングとよく似た概念に「セットアップ」があり、両者はしばしば混同されることがありますが、実際には意味が異なります。

セットアップとは、基本的にはOSをコンピュータに導入・設定し使用可能な状態にすることを指します。ソフトウェアのセットアップについては「インストール」とほぼ同義です。
一方でキッティングは、セットアップ以外にもPCの開梱や通電、OSインストール後の各種アプリケーションの設定、動作確認、管理台帳への記帳などを含みます。

言い換えれば、キッティングはIT機器を使えるようにするためのあらゆる作業を包括する概念であり、セットアップはキッティングを構成する要素の1つであるということです。

キッティングの手順

前述のように、キッティングはIT機器を利用できるようになるまでのあらゆる作業を含みますが、
ここでは一例として、PCを手作業でキッティングする場合の大まかな作業の流れをご紹介します。

① PCの開梱と組立、通電の確認
② モニターなど周辺機器との接続
③ OSのインストールと初期設定(環境設定)
④ ネットワーク設定
⑤ 業務に必要なアプリやセキュリティソフトのインストールと設定
⑥ Windows Updateやセキュリティソフト等の最新化
⑦ 動作確認
⑧ 管理台帳への記帳

このように、キッティングには複数の工程が必要です。こうしたキッティングにおける一連の作業を自社で行う企業も少なくありませんが、その場合、以下のような課題があります。

 

自社でキッティング作業をする際によくある2つの課題

前述のとおり、キッティングはオフィスの新設や移転、新入社員の入社時など、一度に大量の機器に対して行うことが一般的です。そのため、自社で行う場合は人海戦術的な作業になりやすく、人手に頼るがゆえの課題が発生しやすくなります。

課題1:情シス担当者の負担が大きい

1つ目の課題は、作業の絶対量が多いため、キッティングを実施する情シス担当者の負担が大きくなる点です。社員数が少なければキッティングする機器の数も少なく、負担は小さいかもしれませんが、会社の規模が大きくなるほど新入社員の数も多くなり、オフィスの移転や機器の買い替えも大規模になります。

そのため、情シス担当者の負担増につながり、生産性低下の一因となってしまいます

課題2:オペレーションミスによるトラブルの発生

2つ目の課題は、オペレーションミスによるトラブルが発生しやすい点です。
キッティングはそれほど頻繁に行う作業ではないため、担当者が作業に慣れていないケースもよくあります。

社内に統一のマニュアルが整備されていない場合は特に、担当者がキッティングの作業に戸惑ったり、属人的に行ったりするため、人為的ミスが発生しがちです。

また、前述のように担当者に負荷がかかり多忙になる点も、オペレーション上のミスを誘発する要因となります。その結果、PC環境が不統一となることで運用トラブルが発生し、その対応によって担当者の負担がさらに増す、という悪循環を誘発しかねません

このような自社でキッティングを行うことによる課題を解消するため、近年では業務委託するケースも増えています。

キッティングと周辺業務の外部委託による3つのメリット

近年はPCのスペック向上による高機能化・多機能化が進み、キッティングを行う上で専門知識が必要となるケースも増えています。このことから、キッティングの業務委託が主流になりつつあります。キッティングを専門に請け負う企業も登場するなど、企業にとって選択肢が増えています。
そこで以下では、キッティングを業務委託する主なメリットを3つご紹介します。

メリット1:情シス担当者の負担軽減

まず挙げられるのは、キッティングの外注により情シス部門の担当者の負担が軽減される点です。キッティングは通常業務とは異なり、前述の新入社員入社時等のイベント対応であるため、その負担が軽減されることで本来取り組むべき業務に集中できるようになります。

メリット2:環境統一による運用トラブルの軽減

前章で解説した通り、それほど頻繁に行われないキッティング業務は社内に統一のマニュアルが整備されていない場合が多いです。このような場合には、キッティング作業が属人化したり、担当者のオペレーションスキルに依存したりするため環境が不統一となる問題があります。

一方、キッティングをプロに任せることで、属人化は排除でき、環境設定内容も作業前に整理するため、環境統一が図れます。したがって、環境設定違いによる運用トラブルは軽減でき、自社の業務が滞るリスクも低減可能です。

メリット3:IT資産管理の徹底

キッティング作業の他に、PC運用管理を含めた業務委託をすることで、IT資産を適正に把握できるようになります
キッティングはPC導入時やPC故障時に実施しますが、IT資産管理はPC利用中の運用面での管理が重要となります。そのため、PC運用管理も含めて一括委託することで、PC管理情報(構成情報・契約情報・設置場所情報など)やソフトウェアライセンス情報などのIT資産を適正に管理できるようになり、キッティングに伴う情報登録/更新もタイムリーに実行可能です。

以下では、キッティングをはじめ、PCの運用サポートを一括で業務委託できるソリューション「Wave PC Mate」をご紹介します。

キッティングなどのPC運用サポートをワンストップで行う「Wave PC Mate」

Wave PC Mate は、ハードウェアの調達から導入、運用管理、撤去までのPCライフサイクル全体を通した「トータルアウトソーシングサービス」です。

PC導入を支援する「セットアップ/デリバリサービス」として、ソフトウェアのコンフィグレーション決定・インストール・各種設定を行い、マスタ環境を作成します。
事前キッティングも実施可能で、提供PCはマスタ環境をキッティング済みの状態で出荷し、同梱物の調整や管理シール貼付などにも対応できます。
また、ヘルプデスク、セキュリティ対策、資産管理などもトータルでサポートいたします。

多忙な情シス部門の工数を圧迫している業務とその解消法については、以下資料をダウンロードのうえご覧ください。

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情シス部門の工数逼迫で起こりうるリスクと解決策とは
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このコラムを書いたライター
Wave PC Mate 運営事務局
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