法人向けPCのスペックは何が重要?
具体的な選び方やポイントを解説

法人でPCを選定・調達する際に重視しておきたいのがPCのスペックです。しかし、法人向けPCにはどのくらいのスペックが必要か気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、法人向けPCで重視しておきたいスペック項目と、選び方や重視すべきポイントについて解説していきます。

法人向けPCのスペックとは?知っておくべき6つの観点

PCにおけるスペック(Spec)は「Specification」の略であり、日本語では「性能・仕様」のことです。主にPCの処理能力や機能などを指します。

ビジネス用に最適化された法人向けのPCスペックは、業務効率を左右するため、選ぶ際はスペックについての理解が必要です

そこで、まずはPCスペックとは具体的に何を指すのかについて、詳しく解説していきます。

OS

OSとは「Operating System(オペレーティングシステム)」の略であり、PCを起動するためのソフトウェアのことです。例えば、Microsoft社の「Windows」やApple社の「Mac OS」に加え、UNIX(ユニックス)系の「Linux(リナックス)」などがあります。
OSは常に進化・発展をしていくため、およそ1年から数年周期でバージョンアップされます

CPU

CPUとは「Central Processing Unit(セントラルプロセッシングユニット)」の略であり、情報処理をする装置全体を指す「プロセッサ」と呼ばれることもあります。制御や計算、加工などの情報処理速度に影響し、PCの脳のような役割を果たすことが目的であることから、PC選定においては最も重要なスペックの1つと言えます。

CPUの性能は主に「コア数」「スレッド数」「クロック周波数」などで表わされます。

・ コア数:CPUの中核にあたる部分であり、2つある場合はデュアルコア、4つならクアッドコアと呼ばれます。コア数が多いほど性能は上がります。

・ スレッド数:PCの処理可能な作業数のことであり、コア数が同じ場合、スレッド数が多い方が高性能です。

・ クロック周波数:クロックとはPCを動かすための信号のことを指します。クロック周波数は1秒あたりに扱うことのできる信号の数であり、「Hz(ヘルツ)」で表わされます。周波数が高いほどデータ処理の速度が速くなります。

ストレージ(記憶媒体)

ストレージ(Storage)とは、日本語でいう「保管庫」の意味であり、PCの情報やデータを保存するために内蔵された記憶媒体のことです。
磁気ディスクに記録するHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリを用いたSDD(ソリッドステートドライブ)があり、近年はデータ転送速度の速いSDDが主流となっています。

メモリ

メモリとは、PCが作業を実行するために必要なプログラムやデータの記録場所です。
メモリの容量や性能は「GB(ギガバイト)」や「TB(テラバイト)」で表わされ、メモリが大きいほど動作速度が速く、複数のアプリケーションを同時に実行できたり、動画編集など複雑な作業をスムーズに行えたりします

グラフィックボード(GPU)

グラフィックボードとは、画像や映像の処理・出力を担う部品のことです。
グラフィックボードの性能が高いほど高解像な映像や画像を映し出すことができるほか、CADを用いた制作などにも必要となります。

また、種類はPCに内蔵された「オンボードグラフィック」と呼ばれるタイプと外付けのタイプがありますが、外付けタイプの方が性能は高いです。

サウンドカード

サウンドカードは、PCに取り付けることで音声の入出力機能を拡張する部品のことです。
音質の向上や同時発生音の増加といった効果があるため、映像や音声編集の作業の際に役立ちます。

次章では、以上のスペックを踏まえた上で、法人向けPCの選び方をご紹介します。

法人向けPCのスペックで見る選び方

①:自社の業務・作業内容に合わせる

まず重要なのは、自社で行う業務や作業内容を明確にし、それに見合ったスペックを持つ法人向けPCを選定することです。

たとえば、3DグラフィックスやCADを使った設計・製図などの専門用途に使うのであれば、CPUやメモリの容量だけでなく先述のグラフィックボードを搭載した法人向けPCを選ぶ必要があります。

また、一般的な経理事務作業などでは申し分ないCPUやメモリのスペックであっても、WEBデザインや動画編集、プログラミングなどには不十分な場合があるでしょう。また、膨大なデータ処理を行うAIを利用したデータ分析や機械学習用途ではさらに高いスペックが求められます。

スペック不足によって業務の効率が低下しないように、必要なスペックをあらかじめ算出し、ある程度スペックに余裕を持たせておくことがポイントです。

②:基本スペックとオプションスペック

次に重要なのは、法人向けPCのスペックを基本スペックとオプションスペックに分けて検討することです。

基本スペックとは、前章で紹介したようなCPUやメモリ、ストレージなどPCの動作や処理の土台となるスペックのことであり、オプションスペックは基本スペック以外の付随的な機能やパーツを指します。

たとえば、文書作成や表計算、プレゼンテーション資料作成などに用いるOfficeソフトや、ディスク類を読み取る光学ドライブなどがあり、OfficeソフトとしてはMicrosoftのOffice(Word、Excel、PowerPointなど)が代表的です。GoogleのDocumentやSpread Sheetなどにも同じような機能がありますが、法人向けPCであればOfficeソフトを搭載することが多いでしょう。

光学ドライブは、ソフトウェアをディスクでインストールすること自体が少なくなっており、内蔵されているとPCの大きさや重さにも影響することから、近年は不要になりつつあります。加えてオプションが増えるほど価格も高くなるため、必要なものに絞るべきでしょう。

③:長期利用を考慮

法人PCのリプレイスまでの利用期間は、導入からおよそ3,4年とされていますが、昨今では世の中のトレンドやニーズに応じて企業側の変化も必要とされることから、短期間での業務範囲拡大など、今後のビジネス展開を考慮したPCを選ぶ必要があります
たとえば、3, 4年の間に起こりうるOSのバージョンアップ対象製品を選ぶことや、ビジネス方針としてより処理能力の高いCPUを搭載したパソコンを選定することなどが挙げられます。

また、長期利用を見越したPCスペックの相談の可否や、故障時のサポート体制・保証が充実しているかを確認しておくといいでしょう。

スペックの観点から法人向けPCの選び方についてご紹介しましたが、次章では、選定の際に押さえてきたい重要なポイントをご紹介します。

法人向けPCのスペック選びで重要な2つのポイント

ポイント①:価格と性能のバランス

1つ目のポイントは、必要な性能・スペックと、予算を踏まえたPCの価格とのバランスを考慮することです。

ただし、必ずしもスペックが価格に対応しているとは限りません。たとえば、デスクトップ型はノートパソコン型に比べ、同じスペックであっても価格が低い傾向にあり、安価であるという理由でデスクトップ型を購入すると、期待値よりもパフォーマンスが低く作業効率が落ちてしまいます。
そのため、各部署から必要なスペックを確認したうえで、PCを選定することが重要です。

ポイント②:サポート体制

2つ目のポイントはサポート体制の把握です。

一般的に法人向けPCは、個人PCよりも保証期間が長い傾向にありますが、事前に保証内容や範囲などのサポート体制を把握しておくことが重要です

たとえば「PCが動作しない」「データが消えた」「不具合がある」など万が一のトラブルにすぐに対応してくれるか、ソフトウェアのアップデートやインストールに対するサポート体制があるか、また、保守サポート体制も利用料金体系に含まれているかといった点を確認しておきましょう。

自社に最適な法人向けPCを検討する際には、社内の各部門における用途を確認し、予算を踏まえたうえで用途に見合ったスペックのPCを選定する必要があります。しかし、そのためには多くの工数や手間がかかってしまい、担当部門に大きな業務負荷がかかっていることも多いです。

そこで次章では、工数や手間を削減し最適なスペックのPC選定をサポートするサービスについてご紹介します。

法人向けPCのスペックは用途に合ったものを選ぼう

法人向けPCの選定においては、自社のビジネスに合致したスペックを考慮することが重要です。しかし、自社に最適なPCのスペックが判断しづらいということとも多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが、外部の専門家への相談です。

NTTデータ ウェーブでは、PCの調達・導入~廃棄までのPCライフサイクルをワンストップでサポートする「Wave PC Mate」というサービスを提供しています。
本サービスにおける法人PCの選定・調達段階では、スペックを考慮し貴社にあった適切なPCの提案を行っています。また、一元窓口としてヘルプデスクを設置し、ユーザーの問い合わせから問題解決まで対応するなどサポート体制も充実しています

法人PCの選定・調達など、外部委託先をお探しの方は、ぜひ下記の資料もご参照ください。

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