クライアントPC管理とは?必要性や管理方法、情シス部門の負担軽減について

クライアントPCは、企業や組織における日常業務を支える重要なIT資産です。メールや業務用アプリケーションの利用、データ共有、インターネットアクセスなど、多岐にわたる業務を支える存在であり、その適切な管理は業務の効率化やセキュリティの確保に直結します。
この記事では、クライアントPCの基本的な役割を解説するとともに、管理の必要性、管理方法、そして情シス部門が直面する課題とその解決策について詳しく紹介します。
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クライアントPCとは

クライアントPCとは、ネットワークを介してサーバから提供されるサービスや情報を利用するためのPCのことです。企業や組織では、社員が業務で使用するPCがこれに該当します。クライアントPCは、メールの送受信、業務用アプリケーションの利用、データ共有、インターネットアクセスなど、多岐にわたる業務を支える役割を持ちます。

・クライアントとサーバとの違い
「クライアント」はサービスや情報を要求し、受け取る側である一方、「サーバ」はクライアントからの要求に応じてサービスや情報を提供する側のデバイスやプログラムのことです。サーバは通常、常時稼働し、複数のクライアントからのリクエストに対応できるように設計されています。

クライアントPCは、サーバに対する「依頼人」または「顧客」のような役割を果たし、必要なサービスや情報を柔軟に利用するうえでの重要な要素といえます。

クライアントPC管理の必要性

クライアントPCは、企業の業務運営に欠かせないIT資産の一部であり、その適切な管理は業務の効率化やリスク回避に直結します。以下では、クライアントPC管理の必要性を3つの観点から解説します。

IT資産の把握

クライアントPCの適切な管理は、企業内のIT資産を正確に把握するために不可欠です。クライアントPCをはじめとするPCは、企業にとって重要な固定資産であり、会計上の処理を適正に行うためにはその管理が必要となります。もし導入されたPCが固定資産台帳に記載されていなかったり、廃棄されたPCが台帳に残っていたりするとコンプライアンス違反となり、監査時の問題や法的なリスクが発生する可能性があります。

また、クライアントPCの管理が不十分だと、誰がどのPCをどこで使用しているかが把握できなくなります。その結果、インストールされているソフトウェアのバージョン管理や、必要なアップデートの確認が難しくなり、トラブルや問い合わせへの対応が遅れて業務が停滞する恐れがあります。このため、IT資産の正確な把握と管理が、企業の業務運営を円滑に保つために必要不可欠なのです。

IT資産管理の重要性や管理すべき項目については以下の記事で解説しています。

セキュリティの維持

クライアントPCが適切に管理されていないと、PCの利用者個人に依存した属人的なセキュリティ管理が行われることになります。その結果、例えばセキュリティパッチが未適用のPCがネットワークに接続され、社内のウイルス感染を引き起こすリスクが高まります。また、管理が不十分なPCが所在不明となり、盗難・転売されることで情報漏洩事故につながる危険性も無視できません。

サイバー攻撃は年々高度化・巧妙化しており、企業を狙った攻撃の脅威は増す一方です。このため、クライアントPCの適切な管理は、組織全体のセキュリティを維持し、情報漏洩や業務停止といったリスクを防ぐために欠かせません。

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コストの標準化

クライアントPCを含むIT資産を適切に把握できていない場合、利用状況が不明確なため必要以上のPCが購入されることがあります。また、ソフトウェアライセンスの管理が行き届いていないと、実際には使用されていないライセンスが契約されたままとなり、無駄な費用が発生します。このような状況は、企業のコスト負担を増加させ、予算の適正な運用を妨げる要因となります。

一方で、PC管理を適切に実施することで、これらの無駄を削減し、予算管理を効率化することが可能です。無駄な支出を防ぐためにも、PCの数やライセンス状況を正確に把握することが重要です。

IT関連のコスト削減については以下の記事で解説しています。

クライアントPC管理の業務内容

クライアントPCの管理においては、IT資産・インベントリ・ライセンス・セキュリティの管理が基本です。まずは自社が保有するIT資産を把握し、固定資産台帳の情報を更新して減価償却の状況を「見える化」します。

インベントリ管理においては、PC本体だけでなく、型番、CPU、ハードディスク容量、メモリの仕様など、ハードウェアに関する詳細情報を把握することが必要です。

ライセンス管理では、クライアントPCにインストール済みのソフトウェアと、それらに関する契約ライセンスの状況を確認し、適切に管理することが求められます。

セキュリティ管理においては、無許可のソフトウェアインストールや外部メモリの使用制限など、セキュリティリスクの巧妙化に備えるための対策を講じることが重要です。

PC管理の詳細については以下の記事で解説しています。

クライアントPC管理の方法

クライアントPC管理は、PC管理台帳もしくはツールを利用して行うことが一般的です。

PC管理台帳による管理

主にExcelを使ってPC管理台帳を作成し、クライアントPCの情報を記載していく方法です。

最初に台帳を作成する際には、社内にあるクライアントPCの情報をすべて記入し、その後は購入や廃棄などがあるたびに情報を更新していきます。また、年に一回は棚卸を行い、管理台帳の情報と実態に乖離がないか確認します。

ただし、PC管理台帳の管理では入力ミスや抜け漏れが発生しやすく、扱う資産の量が増えると管理が煩雑になるなどのデメリットがあります。

PC管理台帳の作成方法や注意点については以下の記事で解説しています。

クライアントPC管理ツールの活用

クライアントPC管理ツールとは、社内のクライアントPCを効率的に管理するためのツールのことです。
ハードウェアとソフトウェアの情報収集やライセンス管理、PCのハードウェア構成(CPU、メモリ、ハードディスクなど)の収集・管理、セキュリティパッチの適用状況管理や不正ソフトウェアの検出などの機能があります。

これらの機能よりIT資産の可視化と効率的な管理、セキュリティリスクの低減、コンプライアンスの遵守などさまざまなメリットを得られます。

以下の記事では、PC管理ツール全般の導入メリットや選ぶ際に重要なポイントなどを解説しています。

情シス部門で起こりやすいクライアントPC管理の課題

情シス部門で起こりやすいクライアントPC管理の課題としては、以下の3つが挙げられます。

管理対象デバイスの増加

社内で使用するクライアントPCの数が増加すると、その分管理の負担が増えます。近年はリモートワークの普及により、社外でのPCの利用や、個人所有のPCを利用する機会が増えており、デバイスも多様化しています。

このように、管理すべきデバイスの数と種類が大幅に増加・多様化したことで、従来の管理方法では対応が困難になっていることが1つ目の課題です。

リソース不足や属人化

クライアントPC管理は一定の人的リソースを必要とする業務ですが、情シス部門において十分なリソースが確保できていないことも少なくありません。

リソース不足になっていると特定の担当者に管理業務が集中し、属人化が進んでしまう傾向があります。属人化が進むと、担当者以外に業務を理解している人がいなくなり、トラブル対応が遅れるほか、業務の継続性やセキュリティの面で問題が生じます。

セキュリティ脅威の高度化

情報セキュリティの脅威が日々高度化・複雑化する中、クライアントPC管理におけるセキュリティ対策の重要性が増しています。

マルウェアやランサムウェアなど、新たな脅威が次々と登場しており、加えてリモートワークの普及により、社外からのアクセスに対するセキュリティの確保が課題となっています。

以下の記事では、PC管理におけるライセンス管理に関わるリスクについて解説しています。

また、以下の記事ではPC管理に伴う情シス部門の業務負荷の課題やその解決策について解説しています。

クライアントPC管理のアウトソーシングによる解決策

前章で挙げた課題に対する解決策としては、アウトソーシングの活用が効果的です。アウトソーシングを活用することで、専門の業者が多様なデバイスを一元的に管理し、デバイス数の増加にも柔軟に対応できるようになります。

さらに、アウトソーシングによって社内リソースの不足や業務の属人化に対応でき、情シス部門はコア業務に集中できます。セキュリティ面では、最新のセキュリティ技術と知識を持つ専門スタッフが、セキュリティパッチの適用やソフトウェアの更新を迅速かつ確実に実施するため、進化するセキュリティ脅威に対しても適切な対応が可能です。

また、トラブルが発生した際には、専門業者がスムーズかつ適切に対応してくれるため、迅速な復旧と安定的な稼働が期待できます。

Wave PC Mateは、PCの調達・導入から運用管理、廃棄までをトータルでアウトソーシングできるサービスです。PC管理をアウトソーシングすることで情シス部門の管理負担を軽減し、コア業務に注力できる環境を整えることができます。

最新のマルウェア脅威への対策はもちろん、セキュリティ対策のPDCAサイクルを徹底することで、全社的なセキュリティレベルを高い状態で維持できます。

サービスの詳細についてはこちらをご覧ください。

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また、以下の資料では、クライアントPCをはじめとするIT資産管理の工数削減について解説していますのでぜひご覧ください。

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Wave PC Mate 運営事務局
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