パソコン経費処理の基本からリース・サブスク活用法まで解説
本記事では、パソコン購入時における経費処理の基本や、リース契約時の経費処理、さらにサブスクリプション型サービスであるDevice as a Service(DaaS)の経費処理上のメリットなどを解説します。

外部委託先選定時のポイントとは?
情シスが押さえるべきパソコンの経費処理の基本
法人がパソコンを購入する際には、取得金額に応じて経費処理の方法が異なります。情シス担当者としては、これらの処理方法を理解することで、適切な予算管理や経理部門との連携をスムーズに進めることが可能です。それぞれの処理方法について解説します。
取得金額が10万円未満なら経費計上
取得金額が10万円未満のパソコンは、消耗品費または事務用品費として、一括で経費計上できます。この場合、購入年度に全額を経費として計上するため、減価償却の手続きが不要で、会計処理がシンプルです。
取得金額が10万円以上なら資産計上
取得金額が10万円以上のパソコンは、原則として固定資産として扱われ、減価償却を行う必要があります。これは、パソコンの使用期間(耐用年数)にわたり、その価値を段階的に経費として計上する方法です。
減価償却の基本とパソコンに適用されるルール
10万円以上のパソコンを減価償却する際には、耐用年数、減価償却方法、少額減価償却資産の特例というルールが適用されます。
耐用年数
耐用年数とは、固定資産を通常の用途や方法で使用した場合に、問題なく使用できるとみなされる期間のことです。パソコンの耐用年数は4年(サーバーに使用するパソコンは5年)と定められており、この期間にわたって費用を分割して計上します。
減価償却方法:定額法と定率法の概要
減価償却額を決める方法には定額法と定率法があります。
・定額法
毎年同じ額の減価償却費を計上する方法です。費用は以下の計算式で求められます。
減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率(耐用年数4年のパソコンの場合は0.25)
計算が簡単であり、毎年の償却額が一定なので資金計画を立てやすいことが特徴です。
・定率法
減価償却費が取得初年度に最も多く、その後は徐々に減少する方法です。費用は以下の計算式で求められます。
減価償却費 = 未償却残高 × 定率法の償却率(耐用年数4年のパソコンの場合は0.5)
初年度の経費計上額が大きいため節税効果が高く、法人は定率法を選択することが一般的です。
少額減価償却資産の特例について
取得価額が30万円未満のパソコンについては、少額減価償却資産の特例を適用して一括で減価償却できる場合があります。
青色申告法人で、資本金1億円以下かつ従業員数が500人以下の中小企業、または青色申告を行っている個人事業主が対象です。取得した事業年度に全額を経費として計上可能であり、経費計算が簡単で初年度の節税効果が高いことがメリットです。
リース・サブスクリプション型サービスの経費処理
法人パソコンは購入ではなく、リース・サブスクリプション型サービスを利用して取得する方法もあります。これらのサービスを通じてパソコンを導入する場合、経費処理が異なります。以下では、それぞれの特徴と経費処理方法について詳しく解説します。
リース契約の特徴と経費処理
リース契約とは、リース会社が購入したパソコンを一定期間借りるサービス契約のことです。パソコンの所有権はリース会社にあり、契約期間終了後は返却、再契約、または買取が選べます。レンタルと比較して、リースは中長期的な契約が可能で、定期的な更新やメンテナンスが付随する点が特徴です。
リース契約の経費処理方法には、以下の3つのパターンがあります。
・所有権移転ファイナンス・リース取引
初期費用でパソコンを資産として計上し、耐用年数に従って減価償却を行う方法です。
・所有権移転外ファイナンス・リース取引
初期段階でパソコンを資産として計上し、その後はリース期間に従って償却する方法です(償却はリース期間定額法に従います)。
・オペレーティング・リース取引
パソコンを所有することなく、毎月のリース料を経費として計上する方法です。この方法は、購入や減価償却の必要がなく、月々の費用がそのまま経費となります。
リース契約の詳細や、法人向けに適したリースとレンタルの選び方については、こちらの記事をご覧ください。

なお、2026年以降はリースの新会計基準が適用される予定です。リース取引の会計処理に関する変更点についても、以下の記事で詳細に解説しています。

サブスクリプション型サービスの特徴と経費処理
リースのほかに、パソコンをサブスクリプション(月額契約)で提供するDevice as a Service(DaaS)も登場しています。
DaaSは、パソコンやタブレットなどのデバイスの調達から運用、廃棄までのライフサイクル管理を月額課金方式で提供するサービスのことです。デバイスを所有するのではなくサービスとして利用する形式をとり、ハードウェア、ソフトウェア、管理、サポートを包括的に提供します。
DaaSを利用することで、以下の経費処理上のメリットを得られます。
・月額課金制であるためコストの予測が容易であり、経費処理の事務負担を軽減できる
・初期費用を抑え、運用費用として経費処理することが可能
また、DaaSではデバイスの管理やメンテナンス、故障対応などがサービス提供者の責任となるため、情シス部門の負担軽減にもつながります。これにより、デバイス管理にかかる時間やリソースを他の業務に充てることができ、効率化が進みます。
DaaSの特徴やメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

法人PCおよび周辺機器を月額費用でご提供!Wave PC Mateとは
法人パソコンの導入方法には、購入のほかリースやサブスクリプション型のDaaSがあり、経費処理上のメリットを考えるとDaaSが有力な選択肢になります。
Wave PC Mateは法人向けにPCの選定から調達、導入、運用、撤去・廃棄に至るまで、PC運用管理をトータルにアウトソーシングできるサービスを提供しています。最適な法人PCおよび周辺機器を、契約期間に応じた月額費用でご提供するため、購入や管理に伴う初期投資や一時的な設備費用、サービス期間満了後の撤去費用などが不要です。
この仕組みにより、キャッシュフローを大幅に抑制できる点が大きなメリットです。さらに、必要に応じて最新のPCや周辺機器にアップグレード可能なため、常に最適な環境で業務を行うことができます。
サービスの詳細についてはこちらをご覧ください。

外部委託先選定時のポイントとは?

- Wave PC Mate 運営事務局
- Wave PC Mateは、NTTデータ ウェーブが提供するハードウェアの調達から導入、運用管理、撤去・廃棄までのPCライフサイクルマネジメントのトータルアウトソーシングサービスです。本サイトでは、法人企業のPC運用管理業務の課題解決に役立つ様々な情報をお届けします。