LCM(ライフサイクルマネジメント)とは?IT資産管理の効率化を実現する方法
本記事では、LCMの基本的な概要やその必要性を解説し、効率的なIT資産管理を実現する「LCMサービス」の導入ポイントをご紹介します。

外部委託先選定時のポイントとは?
LCM(ライフサイクルマネジメント)とは
はじめに、企業におけるIT資産管理の問題とLCM(ライフサイクルマネジメント)の概要を解説します。
企業におけるIT資産管理の問題
IT資産管理は、IT資産の効率的な運用や管理・運用コストの抑制、セキュリティ強化などの観点において、企業にとって重要な要素です。特に、近年はサブスクリプションの台頭により、PCやその他のIT資産の契約期間を正確に把握・管理する必要性が高まっています。このような背景から、IT資産管理の重要性がさらに増しています。
しかし、企業はPCをはじめ膨大なIT資産を扱っているため、各資産の管理状況を正確に把握することは難しいのが現状です。加えて、昨今は業務で使用する端末やソフトウェアが多様化しており、リモートワークの普及により会社以外の場所でIT資産が利用されることも珍しくありません。
このように、IT資産の種類や利用環境が多様化・複雑化する中で、すべての資産を正確に追跡・管理することはますます困難になっています。
また、ライセンス管理にも問題が生じやすく、例えばライセンス契約が遵守されていない場合、損害賠償を請求されるリスクがあります。さらに、古いバージョンのソフトウェアや安全性が確認されていないフリーソフトの使用が見逃されると、重大なセキュリティ問題が発生する可能性もあります。
以下の記事では、IT資産管理の必要性やメリットなどを解説しています。

LCM(ライフサイクルマネジメント)の役割と基本概要
適切なIT資産管理を実施するうえで重要になるのがLCM(ライフサイクルマネジメント)です。
LCMとは、IT資産の調達から運用、廃棄までの一連のライフサイクルを最適に管理するための手法を指します。IT資産の管理業務を可視化し、ライフサイクルを正確に把握することで、運用・管理の効率化とTCO(導入から廃棄までのトータルコスト)の削減が期待できます。
LCMは一般的に、以下のプロセスに沿って実施されます。
・設計:
はじめに行うのがIT資産の導入計画の立案です。企業のニーズや予算に合わせて、最適な機器やソフトウェアを選定し、導入設計を行います。
・調達・導入:
選定された機器やソフトウェアを最適な方法(購入、レンタル、リース)で調達します。その後、調達したIT資産を実際に使用できる状態にするため、キッティング作業を行います。
・運用・保守:
導入したIT資産の日常的な管理や保守を行います。具体的には、ヘルプデスク対応、故障時の対応、従業員数の変動に合わせた機器の増設・撤去などがあります。
・廃棄:
IT資産が耐用年数を迎えた際には、適切に処分します。この工程には、機器の撤去、データの完全消去、下取りや廃棄などが含まれます。情報漏えいを防ぐため、専門知識を持つ業者に依頼して適切にデータ消去することが重要です。
法人PCの管理・運用におけるLCMの詳細については、こちらの記事で解説しています。

重要性と対策方法をご紹介
LCM(ライフサイクルマネジメント)が必要な理由
IT資産のLCMが必要な理由としては以下の4つが挙げられます。
業務効率化
IT資産のライフサイクル全体の管理状況を可視化することによって、アップグレードや保守のスケジュール管理、迅速なトラブルシューティング、IT資産配置の最適化などが実現できます。これにより業務の無駄が削減され、効率化を進められます。
特に大量のデバイスを使用していたり、利用しているソフトウェアの種類が多かったりと、管理が煩雑になっている場合には大きな導入メリットがあります。
トータルコストの削減
ハードウェアやソフトウェア、ライセンスなどのIT資産を常に正確かつ最新の状態に保つことで、適切なタイミングでの更新が可能になります。これにより、未使用の資産を有効活用し、中長期にわたるコスト削減が実現可能となります。
セキュリティ強化とリスクの低減
セキュリティ対策は企業規模を問わず不可欠であり、昨今は対策を怠ったために企業の存続が危うくなる事例も見られます。企業の経営リスクを下げるためにも、アプリケーションのバージョン管理やセキュリティパッチ適用状況の可視化を行い、アップデートや脆弱性対策を確実に実施してセキュリティリスクを低減することが重要です。
コンプライアンスの順守
IT資産の管理を一元化することで、情報の正確性や運用の透明性が確保され、法令や規制に準拠した運用が実現できます。これにより、ソフトウェアライセンスの適切な管理やデータの取り扱いなど、コンプライアンス要件を満たす運用が期待できます。
これらのメリットを享受するためには、LCM(ライフサイクルマネジメント)の導入が欠かせませんが、リソースやコストの面で自社のみで実施するのは難しい場合もあります。
情シス部門の負担を軽減する「LCMサービス」
自社のみでLCMを実施することが難しい場合、LCMサービスの活用を検討することをおすすめします。
LCMサービスとは
LCMサービスは、IT資産のライフサイクル全体の一元管理を支援するアウトソーシングサービスのことです。設計/調達・導入/運用・保守/廃棄に至るまで、専門的な知識を持つスタッフが代行します。
デバイス管理が複雑化していることやIT人材の不足といった背景から、LCMサービスの需要は高まっています。
LCMサービスを活用するメリット
LCMサービスを活用しIT資産管理をアウトソーシングすることで、自社の人的リソースをIT推進の企画・立案のようなコア業務に充てることができます。
また、専門的な知識やスキルを持った人材が管理するためセキュリティの強化につながり、自社で対応する場合と比べてIT資産の管理コストを抑えられる可能性もあるなど、多くのメリットを得られます。
LCMサービスの詳細は以下の記事をご覧ください。

まとめ
IT資産管理が複雑化し、IT人材が業界を問わず不足している現在、効率的なIT資産管理やセキュリティ強化、コンプライアンス遵守を実現できるLCMの重要性はより高まっています。
また、効率的なIT資産管理を実現するためには、単独でLCMを運用するよりも専門的なサポートを受ける方が望ましいでしょう。
Wave PC Mateは、LCM のサポートを含む、PCの選定/調達から導入、運用、撤去・廃棄までのPC運用管理をトータルにアウトソーシングできるサービスです。
ワンストップでPCLCMを任せられるだけではなく、PC故障時のリカバリ作業においては、独自のセットアップツールによりクリック操作レベルでエンドユーザーが簡単に実行できます。お客様のご要件に合わせて適切なPCを選定し、ヘルプデスク対応についてもマルチベンダーで対応可能です。
サービスの詳細についてはこちらの資料をご覧ください。
以下の資料では法人PC運用の外部委託先のポイントを解説していますので、あわせてご覧ください。

外部委託先選定時のポイントとは?

- Wave PC Mate 運営事務局
- Wave PC Mateは、NTTデータ ウェーブが提供するハードウェアの調達から導入、運用管理、撤去・廃棄までのPCライフサイクルマネジメントのトータルアウトソーシングサービスです。本サイトでは、法人企業のPC運用管理業務の課題解決に役立つ様々な情報をお届けします。