法人向けのパソコンと個人向けのパソコンは何が違う?
本記事では、法人向けパソコンと個人向けパソコン違いを性能やコスト、耐久性などの観点から解説します。
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法人向けパソコンと個人向けパソコンの違いとは?
法人向けパソコンとは企業が業務のための使用するパソコンのことであり、個人向けのパソコンと比べて必要とされるスペックや機能などが異なります。
厳密に「この機能があれば法人向け」「価格が一定額以下なら個人向け」といった具体的な定義は存在しませんが、一般的に以下のような特徴に基づいて分類されています。
① 性能面での違い
一般的には、個人向けよりも法人向けパソコンの方が高性能です。ただし、業務の内容に応じて必要とされる性能は異なります。例えば、エクセルやワードを使った事務作業向けのものと、動画編集やCAD、設計業務など専門的な用途で使用されるものでは、求められる性能に大きな違いがありますが、いずれの場合でも個人向けよりも高性能なスペックが必要とされる傾向にあります。
例えば、以下のような違いがあります。
・OS
法人向けパソコンには通常、ビジネス向けのOSが搭載されています。Windowsであれば11 Proのようなビジネス向けエディションがあり、個人向けの Home エディションに比べ、セキュリティ機能や管理機能が強化されています。ビジネス用OSには、デバイス管理やユーザー管理機能が充実しており、企業全体でのIT管理を効率化することが可能です。
・CPU
法人向けパソコンには一般的に、高性能なCPUが搭載されます。多くの場合、Intel社のCore iシリーズが使用され、業務用グラフィック作業のような高度な処理が必要な場合はXeonシリーズが採用されることもあります。これらのCPUを搭載していることで、同時に複数のアプリケーションをスムーズに実行することが可能です。
・メモリ
ビジネス用途では、プライベートでの利用に比べ大量のデータを扱うため、高度な処理能力を支える大容量のメモリが必要です。一般的には16GB以上のメモリが搭載され、DDR4やDDR5といった高速な規格が使用されることもあります。これにより、データ分析やビジュアルデザインなどの処理が迅速に行えます。
・ストレージ
法人向けパソコンは、セキュリティやバックアップを万全にする観点からSSDのような大容量のストレージが搭載される傾向があり、RAID(複数のHDDを仮想的な1つのハードディスクとして運用する技術)のような高度なストレージ構成が採用されることもあります。RAID構成を採用することで、データの冗長性が確保され、故障時にもデータ損失のリスクが軽減されます。
・グラフィックス
法人向けパソコンには、CADや3D設計、映像編集など専門用途に適したGPUが搭載される場合があります。例えば、NVIDIA Quadroシリーズなどのビジネス向けGPUが用いられ、複雑なグラフィックス処理もスムーズに実行できるようになります。
高い性能を求めずに法人向けパソコンとして個人向けレベルの性能のものを導入してしまうと、業務効率が低下し、生産性にも悪影響を及ぼしかねないため、ビジネス用途に見合った性能のパソコンを選択することが重要です。
② コスト面での違い
前述のように法人向けパソコンは高性能な部品が使用され、ビジネス用途に特化した設計がなされているため、その分個人用よりも高価になります。セキュリティや耐久性、サポート体制などが優れている点もコストが高くなる要素です。
しかし、法人向けパソコンは長期的に使用されることを前提に設計されているため、トータルコストとして考えた場合、長期的には個人向けパソコンよりもコストパフォーマンスが良いこともあります。
③ 耐久性の違い
法人向けパソコンは、長期間にわたり安定的に動作することが求められます。これは、短期間で故障したり動作が悪くなったりすると短いサイクルで多くのパソコンを入れ替えなくてはならず、多大なコストや手間がかかってしまうためです。
こうしたことから、堅牢な筐体やキーボード、衝撃に強いハードディスクなど、耐久性に優れた部品が使われることが一般的です。
④ セキュリティ面での違い
法人向けパソコンは経営や製品に関わる機密情報や、顧客や社員などの個人情報を扱うため、個人用パソコンよりも高度なセキュリティが求められます。例えば、パソコンの盗難や紛失に対処するためのセキュリティロック機能や、ネットワーク監視機能、VPN接続のような高度なネットワークセキュリティ機能などが備わっています。また、デバイス自体の暗号化や、リモートワイプ機能(遠隔でデータを消去する機能)なども採用されることが多く、情報漏洩リスクの軽減が図られています。
⑤ 保証やサポートの違い
基本的には法人向けパソコンのほうが手厚いサポートを受けられます。長期の保証期間やオンサイトサポート(訪問修理)などのビジネス向けサービスや、法人向けの専門サポート窓口が用意されていることが多く、迅速かつ質の高い対応が期待できます。
さらに企業向けのサポートでは、問題が発生した際の優先対応や、カスタマイズされたサポート内容が提供されることが一般的です。
法人向けと個人向けの違いを理解し、企業の業務に最適なパソコンを選択することで、効率的で安定したIT環境を実現することが可能となります。
法人向けパソコンの選び方
法人向けパソコンを選ぶ際には、自社の業務内容に合ったスペックのものを選ぶことが重要です。例えば、一般的なオフィスワークで主にエクセルやワードなどを使用する場合と、プログラミングや高度な動画編集を行う場合とでは、求められる性能に大きな違いがあります。そのため、使用するソフトウェアや作業内容に合わせて、必要な処理能力やメモリ容量などを見極めることがポイントです。
また、営業担当者や外出が多い社員が利用する場合は、軽量で持ち運びやすいモデルを選ぶことも大切です。さらに、セキュリティ機能やサポート体制が充実しているパソコンを選択することで、業務の継続性や情報保護も強化できます。
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こまで解説したように、法人向けパソコンの方が性能、セキュリティ、耐久性など多くの面で優れていますが、その分コストも高い傾向があります。必要な機能を満たしていないパソコンを選ぶのは当然避けなければなりませんが、反対に自社で必要とされる業務内容よりも大幅にスペックの高いものを選ぶと余計なコストがかかってしまうため、機能面で過不足のないものを選ぶことが重要です。
しかし、どんなパソコンが最適なのか自社のみで判断するのは難しいケースも少なくありません。そうした場合には、法人パソコン管理のアウトソーシングサービスを活用することがおすすめです。
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