EOLとは?放置することのリスクや情シスが行うべき対応について
本記事では、EOLの概要やEOLを放置することのリスク、情シス部門がEOLに備えてやるべきことを解説します。
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EOLとは
本章ではまず、EOLの概要やEOS/EOEとの違いについて解説します。
EOLの意義・必要性
EOL(End Of Life)とは「ライフサイクルの終わり」という意味であり、ITの分野ではハードウェアやOS、サーバー、ソフトウェアなどの生産、販売、サポートが終了することです。製品として寿命を迎え、新たに更新されることがないため、そのまま使い続けることが難しくなります。
安定した業務を遂行するためには、製品の寿命を把握し、EOLを迎える前にシステムの更新や移行、製品の入れ替えを行うことが必要です。EOL製品は技術サポートが受けられなくなるため、セキュリティ対策やコンプライアンス順守の観点からEOLの把握は不可欠です。
EOS/EOEとの違い
EOLに類似の概念として、EOS/EOEがあります。
EOS(End Of Sales)は「販売終了」という意味であり、メーカーが製品や出荷・販売を終了することを指します。あくまでも新規購入ができなくなる時点のことであり、サポート自体は一定期間受けることができます。
EOE(End of Engineering)とは、製品に対するテクニカルサポートの提供が打ち切られるという意味です。具体的にはメーカーによる不具合の修正や新規のアップデートが行われなくなる時点を指します。
EOEではテクニカルサポートが制限を受けるのに対し、EOLではすべてのサポートが打ち切りとなります。
EOLの一例をあげると、Windows10は2025年10月14日にサポートを終了するので、それまでにWindows11へのアップデートが必要です。
EOLを迎えるとどうなる?
EOLを迎えるとメーカーから一切のサポートが提供されなくなり、以下のような状態になります。
・不具合の修正やアップデートの停止
EOLを迎えた製品では、新たに発見されたバグや脆弱性に対する修正プログラムやアップデートが提供されなくなります。
・製品の修理対応やサポートの終了
メーカーによる技術サポートや保守サービスが完全に終了します。これにより、トラブル発生時に公式の問い合わせ窓口が利用できなくなるほか、技術的な質問への回答が得られなくなります。
・部品の調達が困難になる
EOL製品の部品の新規生産が行われなくなるため、故障した部品を調達できず、交換が困難になります。その結果、製品の修理や保守が難しくなります。
EOLを放置することにより発生するリスク
EOLを放置すると、セキュリティ面や生産性、互換性の面で問題が生じます。
セキュリティリスクが増大する
EOLを迎えると脆弱性に対する修正が行われなくなるため、ウイルス感染や不正アクセスなどの被害を受けやすくなり、セキュリティ面で深刻な脅威にさらされます。
脆弱性を突いて情報を窃取しようとする悪意ある者にとって格好の的となり、重大な情報漏えいの被害のリスクも高まります。
生産性が低下する
EOLを迎えた製品は、最新の製品と比べて機能・性能が劣っている、経年劣化により故障率が高くなっているなどの理由から業務効率やパフォーマンスが落ち、生産性の低下につながります。
さらに、故障した場合にはサポートを受けられないため、修理・復旧まで非常に長い時間を要したり、あるいは復旧自体ができなかったりするケースも少なくありません。このことも当然、生産性の低下を招きます。
互換性の問題が生じる
最新のOS環境で正常に動作しなくなったり、現在普及しているソフトウェアとの互換性に問題が生じたりします。これにより、業務に必要なソフトウェアやシステムとの連携が取れなくなる可能性が高まります。また、新しいハードウェアやソフトウェアと接続できない、またはデータの移行が困難になることもあります。その結果、業務の効率が著しく低下し、プロセス全体に支障をきたすことがあります。
EOLに備えて情シスがすべき対応
EOLを放置せず、適切にリプレイスするために、情シス部門は以下の対応をとる必要があります。
EOLの情報を整理する
まず最初に行うべきことは、製品の公式ウェブサイト、サポート文書などからEOLの情報を入手することです。そのうえで、EOLの正確な日付、サポート終了のスケジュール、推奨される移行先などの情報を製品ごとに整理します。
EOLを迎える前にリプレイスの計画を立てておく
EOLの時期が迫ってから慌てて対応すると、移行作業が間に合わなくなる可能性があり、ミスが発生しやすくなります。そのため、余裕を持ったリプレイス計画を立てることが重要です。具体的には、移行のスケジュールを設定し、人員、時間、予算面で十分なリソースを確保する必要があります。また、システムをアップグレードすることで影響を受ける可能性のあるアプリケーションや互換性の問題を整理し、システムが正常に動作するかを確認するためのテストスケジュールも組み込んでおくべきです。
リプレイスにかかる費用を見積もっておく
新しいハードウェアやソフトウェアの購入費用、データ移行やシステム構築にかかる費用などを試算し、さらに移行作業に必要な人件費も見積もっておくことが重要です。適切な費用見積もりを行うことで、経営層への説明や予算確保がスムーズに行えるようになります。
EOLへの備えとしては以上の対応をすべきですが、すべての工程を自社で行うのは大変です。そこで、アウトソーシングを活用することも1つの選択肢となります。
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